パートドフリュイはフルーツのピューレや果汁をお砂糖とペクチンで固めたハードゼリー。フランス菓子を扱うお店や、デパ地下なんかによく並んでいてキラキラした宝石みたいなお菓子です。見た目も綺麗で日持ちもするので、小分けするとプレゼントにもピッタリな万能なやつなのです。
昔、レストランでデザート担当だった時、ホワイトデーのスペシャルデザートに使おうと作ってみたものの、固まらない...。材料も少なくて、作り方も簡単そうなのに固まらない...。
当時、教えてくれる人もいない、ネットにもそんなに情報がない、そして時間もない私は結局作ることを諦めてしまいました。
そんなことがあり、どうしてもパートドフリュイを作りたくて自分でお菓子屋をやるときは絶対に作ると決めていたお菓子です。
気をつけるポイントを押さえれば絶対に固まる。きっとこれであなたのパートドフリュイも固まるはず!
まずはレシピです。今回は比較的固まりやすいイチゴのレシピを紹介します。
イチゴピューレ...200g
グラニュー糖A...200g
水飴...20g
ペクチン...5g
グラニュー糖B...10g
クエン酸...4g(同量の水で溶かしておく)
作り方
1.イチゴピューレを30度〜40度まで温める
2.グラニュー糖Bとペクチンを混ぜ合わせ、温めたピューレに少しずつ入れる
3.ピューレがふつふつとしてきたらグラニュー糖Aを半分入れ、溶けたらもう半分と水飴を入れれ煮詰める
4.ピューレの温度が103度まで上がったら、火を止め水で溶いたクエン酸を入れよく混ぜる
5.固まる前にオーブンシートを敷いたバットに流し、固まるまでおいておく
※クエン酸を入れた後は急速に固まるので手早く作業をする
固まらない!にならない為に
ペクチンは必ず砂糖と混ぜ合わせて入れる
パートドフリュイで使うのはHMペクチン。ペクチンの粒子はとても細かく液体に溶けづらいので、使用する際は必ずグラニュー糖と合わせて少しづつ投入します。そのまま投入するとダマになってしまい、果汁にうまく溶けきらず固まらない原因になります。
細かく分ければたくさん種類のあるペクチンですが、基本はこの2種類です。
●LMペクチン
ローメトキシルペクチンの略。糖度ではなく液体のミネラルに反応して凝固作用を起こす。ジャム、ナパージュ、ムース、ゼリーなどに使用する
●HMペクチン
ハイメトキシルペクチンの略。高糖度に加えて酸などでphの数値を整えてやることで凝固作用が起こる。ハードゼリー、グミなどに使用する
化学用語などの難しい話は覚えなくても大丈夫です。
こんな感じで覚えておいてください
使用するペクチンの量はフルーツによって変わります。基本は1~2%程の添加量。酸の多いフルーツはペクチンの量を調節しましょう。
砂糖、ペクチン、酸の添加量のバランスを整える
果汁に対して投入している砂糖の量が少ない場合、ペクチンが反応する糖度にならずうまく作用しないことも固まらない原因です。糖度は70~75%を目指します。
入れる砂糖の量に驚くかもしれませんが、砂糖の量はレシピより減らさないようにしましょう。
投入するペクチンや酸の量も重要です。バナナやマンゴーなど酸が少ない果物には酸を多めに、柑橘系の酸が多いフルーツにはペクチンを多めに添加することで固まりやすくなります。
最後に入れる酸は酒石酸かクエン酸を水に溶かして使用します。多いと硬めに仕上がりますが、入れすぎると酸味が効きすぎてフルーツの味がわからなくなることもありますので、調整は慎重に行いましょう。
煮詰める温度を適切に
材料のバランスがバッチリ合っていれば、最後に煮詰める温度は高くなくて大丈夫です。
そもそもペクチンは煮詰める時間を短かくするために添加するものなので、102℃~105℃まで温度を上げてあげればしっかり固まってくれます。
温度を上げて、グツグツ煮詰めてしまうと口あたりが悪くなってしまったり、ちょっと焦げ臭くなってしまったり。逆に温度が低いとペクチンが溶けずに固まらないということに。
火にかけるときは中火より少し弱めで、ゆっくり温度を上げていきましょう。
まとめ
いかがでしょうか?自分でも初めて作った時を思い返してみると、砂糖の量にビビって勝手に減らしていたような気がします。これらのポイントがちょっとでもズレると固まらない、結構繊細なお菓子です。でもゼラチンで固めているものとは違った食感で、味の濃厚さも段違いです。
- ペクチンをダマにしない
- 材料のバランスを整える
- 煮詰め温度に気をつける
この3つのポイントを守って美味しいパートドフリュイを作ってみてください!
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