タルト生地によく使われる、パート・ブリゼ。甘いタルトにもお食事系のキッシュにも使われる生地ですね。
私はブリゼを作る際、流し込むアパレイユのやわらかい食感と対比するようにブリゼにはザックリとした食感を重視して作っています。
タルト生地の基本中の基本なので、作り方と敷き込み方までぜひマスターしましょう。
ブリゼってどんな生地?


「ブリゼ(brisé)」とはフランス語で壊れる、割れるという意味です。その名の通りパート・ブリゼは焼きあがった生地は崩れやすく、サクサクとした食感が特徴の生地になります。
粒状になるまで細かく切ったバターを粉と水分と合わせて練り込むことで、生地の間に空洞ができ食感が生まれます。作るときに注意したいのはバターと粉の温度。バターが溶けないように粉と一緒に冷やし、合わせる水分も冷えたものを使いましょう。
作り方
薄力粉…150g
強力粉…150g
バター(無塩)…130g
塩…2g
砂糖…20g
卵黄…1個(20g)
冷水…60g
レモン汁…5g(あれば入れる)
1.小麦粉は合わせておき、バターは1cm角に切って小麦粉と一緒に冷凍庫で冷やしておく
2.フードプロセッサーに小麦粉、バターを入れ回す
3.粉チーズのようになってきたらボウルに取り出し、塩と砂糖を加える


4.卵、水、レモン汁を合わせた卵液を粉と合わせる
この時生地を押すイメージで合わせていく。練ってしまうとグルテンが出すぎて焼きちぢみがおきる


5.ひとまとまりになったらラップをして約1時間冷蔵庫で休ませる
寝かせることで生地に水分が行き渡るため生地をまとめた時点で、多少粉っぽさが残っていても良い。
冷蔵庫で休ませた後、2等分にして丸く成型。ラップで包み一晩寝かせてから使います。生地を寝かさずに焼くこともできますが、焼きちぢみをおこすのでちゃんと休ませてから使う方がキレイな仕上がりになります。
一度に2台も焼かないという人は、冷凍庫で生地を保管しましょう。解凍するときは必ず冷蔵解凍で。
薄力粉だけだとザックリ感が弱く、強力粉だけだと硬くなりすぎるので半分づつの配合がオススメです。中力粉が手に入る場合はそれを使ってもOK。
水分を加えた後に練りすぎないのもポイントで、一つはグルテンを出さないためと、もう一つはバターを溶かさないためです。どちらも食感が悪くなる原因になります。
生地を型に敷き込む(フォンサージュ)
生地ができたら、型に敷き込んでいきます。厚みが均一になるように意識して伸ばしてみましょう。
1.生地の両面に軽く打ち粉をしたら、めん棒でゆっくり力を入れながら押して伸ばしていきます
この時、真ん中の部分を伸ばすイメージで丸くしていく


2.型を上に乗せて大きさを図ります。ひとまわりくらい大きくなっていたらOK
タルト型の淵の背の高さによりますが、一般的なものならひとまわりが目安
3.型の淵に合わせて生地をのせていきます。
フチの生地が落ちないように、底面に生地を座らせるイメージです
5.敷き詰まったら、めん棒をゴロゴロっとさせて余計な生地を落とします。余計な生地を落とした後、フチに引っ掛けるようにすると生地が落ちません。
生地を休ませた後、170℃のオーブンでタルトストーンを乗せて10分、ストーンをどかしてさらに5分焼いて、下焼き完了です。


この後、もう一度冷蔵庫で寝かせます。なんなら冷凍庫で一度固めても良いです。そのまま保存もできますが、生地が乾燥するので保存袋などに入れて冷凍しましょう
下焼きするときはタルトストーンをのせて、底面が膨らまないように焼きます。下焼きした後にひび割れてしまったら溶き卵を塗ってもう一度焼けばアパレイユを入れても漏れません。焼き時間は使っているオーブンと相談して調整してみてください。
キッシュに最適な生地
レストランに入ってすぐ教わったのがブリゼ生地で、週替わりのキッシュをよく焼いてました。そこはタルト型ではなくて、セルクルで焼いていたので当時、敷き込みはめちゃくちゃ苦労しました。
そのかわり、フチの生地が多くなるのでよりお食事感が増して美味しかったなぁと思います。
まずは普通の高さのタルト型で敷いてみて、生地の扱いに慣れてきたらセルクルにチャレンジしてもいいかもですね。