フレンチビストロでは定番のデザートでもあるプリンとクレーム・ブリュレ。使う材料や味は似たようなものですが、食感や見た目が違いますね。他にも明確に違いがあるはずと思って調べました。
レシピと一緒に見てみましょう。
プリンとは?
フランス語だと「クレーム・キャラメル」もしくは「クレーム・ランヴェルゼ・オ・キャラメル」と言います。凝固剤を使わずに卵が熱で固まる特性を利用して作る冷たいデザートです。ひっくり返して器に出して提供するものをクレーム・キャラメルと言い、ひっくり返さず器のまま提供するものをフランなどと呼びます。
レシピの特徴としては牛乳、卵、砂糖のみのシンプルなものが多いです。食感はぷるんとしていてあっさりしています。容器に入れて蒸し焼きにするのがプリンですが、同じ材料を鍋に入れトロミがつくまで煮詰めればクレーム・アングレーズになります。
クレーム・ブリュレとは?
クレーム・ブリュレも卵の熱凝固性を利用したデザートですが、小麦粉やコーンスターチなど凝固剤となる材料を入れるレシピもちらほら見つかります。プリンとは違い器ごと提供し表面を砂糖でキャラメリゼしパリパリとした食感とトロリととした生地のコントラストを楽しむデザートです。
クレーム・ブリュレという言葉自体はフランス語なのですが、デザートそのものの起源ははっきりしていないようです。フランスの古い文献にはフランソワ・マシロワという料理人が考案したとされていますが、彼もスペインの「クレマカタラナ」というデザートに影響されたのではと言われています。このクレマカタラナはいわゆるカスタードクリーム(クレーム・パティシエール)のようなもので、コーンスターチなどを加えます。フランスのクレーム・ブリュレはスターチ類を加えず卵と生クリーム砂糖を混ぜ、オーブンで蒸し焼きにします。
ちなみに、クレーム・ブリュレは17世紀に宮廷料理の一つとして提供されました。冷たくして出されたデザートに貴族が「冷たすぎる」と文句をつけたので、表面に乗せた砂糖を熱した鉄で焦がし温くして提供したのでいまの形になったそうです。さすが貴族はワガママですね。
作り方 プリン
まずはプリンの作り方。トロトロから硬めまで様々なタイプのプリンが出ているので一概にこれが本物とは言い切れなくなってきましたね。今回はオーソドックスなちょっとしっかりめの食感のレシピです。
■キャラメル
グラニュー糖...150g
水...100g
■プリン液(アパレイユ)
全卵...4個
牛乳...500g
グラニュー糖...100〜120g(お好みで増減してください)
バニラエッセンス...適量
下準備...オーブンを160℃に温めておく
1.キャラメルを作る こちらを参照
2.キャラメルを器に流し冷蔵庫で少し冷やす
3.鍋で牛乳を人肌程度に温める。ボウルに卵を割り入れ軽く溶いてグラニュー糖を加えかき混ぜる
4.温まった牛乳を卵のボウルに3〜4回に分けて入れその都度よくかき混ぜる
5.バニラエッセンスを加えかき混ぜたらシノワで漉す(茶漉しでも良いです)
6.器にアパレイユを流し込みぬるま湯を張ったバットに器を入れ、表面が乾かないようにアルミホイルをかぶせオーブンで35分ほど蒸し焼きにする
※ぬるま湯の量は器の2/3の高さになるまで入れましょう
7.全体が軽くフルっと震えるくらいまで固まったら出来上がり。
作り方 クレーム・ブリュレ
ブリュレは濃厚さととろける食感が特徴なので、卵黄のみ使います。紅茶やサフラン、トマトにフォアグラ、ラベンダーなどバニラ以外にもいろんな材料と合わせてバリエーションが作れるのもブリュレの特徴です。今回は一般的なバニラを使ったレシピです。
卵黄...5個
バニラビーンズ...2/3本
生クリーム...500g
グラニュー糖...95g
下準備...オーブンを140℃に温めておく
1.ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ白っぽくなるまで攪拌する
2.鍋に生クリームと割いて種を出したバニラビーンズを入れ人肌程度に温める
3.卵のボウルにクリームを3〜4回に分けて入れ、その都度かき混ぜる
4.シノワで卵液を漉したら器に注ぐ
5.ぬるま湯を張ったバットに器を入れ、オーブンで30〜40分ほど蒸し焼きにする
6.冷蔵庫でよく冷やし、砂糖をかけバーナーで炙って出来上がり
レシピの補足
●プリンの補足●
食感を出したいときは卵を溶くときにコシをあまり切らず、牛乳も温めずに加えると良いです。逆に滑らかにしたいときは卵のコシをよく切り、暖かい牛乳を加える。もしくは全卵を3個、卵黄を2個にするとより滑らかになります
●ブリュレの補足●
キャラメリゼに使う砂糖はなんでも良いですが、お店ではカソナードという茶色のお砂糖を使うのが一般的です。もし手に入らない場合は三温糖がオススメです。あまり欲張らず薄くのせて焼いた方がパリッとした食感になります。