もし流通をどこかの国が独占、制限したとしたらそれを巡って戦争が起きると言われるほど、世界中の人間を魅了しているチョコレート。
日本でも「サロン・ドゥ・ショコラ」が毎年大盛況ですし、バレンタインデーではみんなチョコレートのお菓子を作りまくりますし、クリスマスだってチョコレートのケーキは大人気ですし、季節を問わずコンビニで買える。考えてみたら一年を通して食べられまくっている不思議なお菓子です。
そんなチョコレートの何を知っているのかと聞かれると、実は一部しか知らないと思って勉強し直してみました。
チョコレートとは
カカオ豆から作られるセピア色の香り高いお菓子。原産地はアマゾン川流域やベネズエラのオリノコ川流域とされ、紀元前2000年頃から栽培されていたとも言われています。紀元前とかよくわからないですよね。今から3000年〜4000年も前からカカオ豆は栽培されていたということです。
その当時はチョコレートとはカカオ豆をすりつぶしてトウモロコシの粉を加えたり、バニラなどのスパイスで香りをつけた「飲み物」だったようです。おそらく美味しく飲むものというより薬の一種だったのでしょう。現在もポリフェノールやら滋養効果やらで売り出されるチョコレート菓子がたくさんありますね。
そんなチョコレートは16世紀頃にスペインに渡ります。苦くてまずい飲み物だったチョコレートに砂糖を入れて甘くし、さらに温かくして飲むようになり貴族や僧侶などからヨーロッパの上層階級に広まっていきました。チョコレートに限らず甘くて美味しいものは基本的に高価で庶民には手出しできないものだったんでしょうね。
そして19世紀、チョコレートに革命が起こります。オランダ人のヴァン・ホーテンがカカオから油脂(カカオバター)を取り除き、溶けやすく美味しいチョコレート、ココアパウダーを作りその副産物であるカカオバターによってチョコレートは「飲み物」から「食べ物」に変身したのです。ヴァン・ホーテンすごいぜ!
チョコレートはどうやってできる?
さて、そんなチョコレート。原材料はカカオ豆なんですが豆がどうやってセピア色の美味しいチョコレートになるんでしょうか?
まずはカカオポッド呼ばれるカカオの果実からカカオ豆を取り出します。白いふわふわ(パルプ質)を取り除き、発酵・乾燥させます。これで発芽と腐敗を止めると同時に発酵によりタンパク質の分解と酸化が起こりチョコレートの風味の基礎を作ります。
ここで原産国からヨーロッパやアメリカ、日本など諸外国へ輸送され加工の段階に入ります。まずはロースト(媒染)し風味を引き立たせ、粗く砕き外皮などの余分なものを取り除きます。その後細かくすりつぶしペースト状なります。これがカカオマスですね。
カカオマスから油脂(カカオバター)を搾り出します。油脂を絞った後のカカオマスは乾燥させさらに粉砕とアルカリ処理をしてココアパウダーに。カカオバターに砂糖や乳化剤、粉乳などを加えたものを一定の温度で長時間練ることでようやく皆さんがよく知るチョコレートになります。
そこからさらにテンパリングなどの加工、成形を経てお菓子屋さんに並ぶツヤツヤのキレイで美味しそうなチョコレートになるんですね。
●カカオ豆の種類●
カカオ豆の品種は大きく分けて3種類
・クリオロ種...ベネズエラが主産地。香りが強く苦味が少ない
・フォラステロ種...西アフリカ、ブラジル、マレーシアなどが主産地。苦味が強くカカオの味わいがよく出る
・トリニタリオ種...トリニダードトバコ原産。味、香りともに強い
これらの複数の豆をブレンドしてチョコレートを作るのが一般的。最近登場して話題になっているルビーチョコレートはブラジル、エクアドル、コートジボワールで採れたカカオ豆を使って作られているようです。
続きます
チョコレートは書くことが多くて、一回ではアレやコレの『ア』くらいしか書ききれないので、何回かに分けることにします。次回はチョコレート製品の種類を書きたいと思います。