「ちょっと前に流行ったよね」とか「生マシュマロのことでしょ」とかって声が聞こえてきそうですが、私の大好きなフランス菓子ギモーヴ。
ふわふわでモチっとした食感がたまらなく好きで、いろんな果実のピューレを使って味のバリエーションを作れるのも好きです。こんなに美味しいお菓子なのに日本では流行りものになって定着しなかったのが残念です。日本人は「生〜」って言葉が好きなので生マシュマロと謳われていましたが、生でもありません。
ギモーヴとは?
ギモーヴは「ウスベニタチアオイ」という植物の名前です。英語名でマシュマロウ、フランス語でギモーヴ。この花の根っこから取れる甘い粘液を使って作られていたのが名前の由来です。
そもそもギモーヴの根っこから取れる粘液は咳止めやのど薬として重宝されていました。ギモーヴはその粉末を入れ込んだ咳止めキャンディで、長方形かひし形、棒状の形をしていました。俵形のマシュマロはアメリカで開発されたもので、フランスだと四角い形のマシュマロをよく見かけます。
現在は根っこの粘液は入っておらず、ふんわりしたキャンディーとして愛されています。
ギモーヴとマシュマロの違い
実は特にありません。主な成分として砂糖、水分、タンパク質、空気です。このタンパク質の部分が卵白とゼラチンなのですが、これが空気を含むことであのふわふわの食感になります。
ギモーヴは卵白を入れないなどのレシピもたまに見かけますが、そんなことはないです。とはいえゼラチンだけでも作れます。要は好みの問題ですね。
「ギモーヴはフルーツのピューレを使うがマシュマロは使わない」というのも間違いです。そもそも同じものなので、ピューレを使っても香料だけで作ってもギモーヴですし、マシュマロです。
作り方 ギモーヴ
フルーツの香料を使って作りたかったのですが、一番手に入りやすい香料のバニラで作ってみみましょう。バニラビーンズペーストを入れるので、アメリカンな感じのマシュマロとはだいぶ印象が違うと思います。
水...150ml
グラニュー糖...500g
水飴...50g
卵白...120g
ゼラチン...30g
バニラビーンズぺースト...5g
コーンスターチ...適
粉糖...適
※コーンスターチと粉糖は同量づつを混ぜ合わせておく
下準備...ゼラチンを冷水で戻しておく。バットにクッキングペーパーを敷き軽くコーンスターチと粉糖を合わせたものを振っておく
1.鍋にグラニュー糖、水、水あめを入れて火にかける。同時に卵白もミキサーボウルに入れておきシロップが110℃まで上がったら卵白を泡立て始める。水で戻したゼラチンもこの時湯せんで溶かしておく
2.シロップが120℃まで煮詰まり、卵白も泡だったら少しづつ加えてさらに泡立てる
3.溶かしたゼラチンを温かいうちに加える
4.バニラビーンズペーストを加え粗熱が取れるまで泡立て続ける
5.準備したバットに流し入れ表面を平らにならす。コーンスターチと粉糖を合わせたものを上から振り、乾燥を防ぐ
6.そのまま一晩常温に置いて固め、好きな大きさに切り分けコンスターチと粉糖をまぶし出来上がり
レシピの補足
今回はバニラ香料で作りましたが、フルーツのピューレで作りたい場合は水をピューレに置き換えると良いです。使うピューレによって砂糖の分量は調節してください。
分量には書いてないですが、生地がダレる場合はクレームタータやレモン汁などを少量入れてみてください。